最近、ゼンディカーのフェッチランドが戦乱のゼンディカーに収録されないことが大きな話題になっています。
その結果、どのようなことが予測されるのでしょうか。
今回は各方面への影響や再録の可能性についてみていきましょう。
一部省略、意訳を含んでいますので、是非原文も見てみて下さい。
先日、マーク・ローズウォーターが彼のTumblrで戦乱のゼンディカーには新しいフルアートの基本地形が収録されることを発表した。
しかしそれよりも衝撃的だったのは、戦乱のゼンディカーには新しいレアの2色土地が収録され、皆が期待していた、対抗色フェッチランドは再録されない、というニュースだった。
いつかエキスパートレベルのエキスパンションに収録される予定だが、スタンダードでシャッフルにかける時間を減らしたい、とのことだった。
フェッチの無い環境ならともかく、5枚でも10枚でも変わらないのでは、と思うのでこの発表には驚いた。
私はタルキール龍紀伝の前に売り払ってしまった。
今日はこのアナウンスを受けて、ゼンディカーのフェッチランド、そしてタルキールのフェッチ、そしてモダンフォーマット全体への影響を考えてみたい。
1.ゼンディカーのフェッチランドの値段が更に上がる
当然ながら値段は跳ね上がり、特に新緑の地下墓地と霧深い雨林は一時間以内に倍の値段になった。
この大きな値上がりには幾つかの理由がある。
1つ目は、ゼンディカーフェッチの値段が高いうちに売って、再録されたら買い戻そうと思っていた層（私を含む）がいたこと。
その様な人々がモダンやレガシーで使用するために殺到したのだろう。
2つ目には、もともとモダンをやっておらず、再録を期に始めようと思っていた人々の存在。
その様な人々は更なる高騰を見越して買いに走ったのだろう。
再録無しのアナウンスは、すなわち1,2年は収録されないことを前提として、需要過多となった。
前もって値上げしていたショップもあるだろうし、大手ショップが小規模ショップから買い集めたという話も聞いている。
その結果がこの通りだ。
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2.新フェッチに良い影響
代用としての需要が予想される。
少し奇妙に思うかもしれないが、＄70の霧深い雨林を1枚買うぐらいなら、2枚の溢れかえる岸辺を選ぶプレイヤーも実際いる。
完璧なデッキを組みたければ、例えばグリクシスであれば沸騰した小湖が必要だが、タルキールのフェッチでもそれなりには代用できる。
例えばこんな使い方もできるだろう。
グリクシス：青赤を赤黒に（3枚の島が持ってこられないが1枚の沼を持ってこられる）
双子：青赤と青緑を青白と青黒に（森と山を持ってこられないので赤緑を使うかもしれない）
アブザン：緑黒を赤緑に（2枚の沼を持ってこられない）
アブザンカンパニー：緑黒を赤緑に（1枚の平地と沼を持ってこられない）
モダンで上位15デッキタイプのうち66.67%はゼンディカーのフェッチの影響を受けない。
フェッチを使用しない（トロンやマーフォーク）か、友好色フェッチの方が向いているデッキ（ナヤバーンや感染）だ。
それ以外のデッキについてもベストでないというだけで、殆ど支障は無いだろう。
但し、血染めの月を出された場合や、ゲームが長引いた場合は正しいフェッチが必要になることもある。
殆どの場合、タルキールのフェッチを使ったことで負ける場面は少ないだろう。
在庫不足の関係でゼンディカーのフェッチの値上がりは避けられないが、代わりにタルキールを使おうとするプレイヤーの存在で、タルキールのフェッチも多少値上がるだろう。
そして既にそれは起きている。
SCGでは汚染された三角州と溢れかえる岸辺の値段が$30を超えている。
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3.モダン全体の値段が更に上がる
1か月ほど前、過去6か月間でモダンのデッキ価格が25%上昇しているという記事を書いた。
それには異論反論あったが、更に上がることになった。
ゼンディカーのフェッチが無くてもゲーム自体に大きな影響がないことは既に述べたが、値段の面では確実に変化がある。
しかしモダンの入り口としてフェッチを使わないデッキから入ってもよいだろう。
すべてのフェッチの値上がりは避けられないし、3か月、4か月前に戻ることはもうできない。
4.統率者2015収録はありえない
次の統率者セットが対抗色がテーマであることに関連して、ゼンディカーのフェッチが収録されるのではないか、という噂を度々耳にした。
ウィザーズが余程判断を誤らない限り、私はあり得ないと断言したい。
1つ目に、まずプレミアムでも限定品でもない構築済みセットに、フェッチの様なカードを入れることはあり得ない。
これまで再録されたカードで最も高いものはワームとぐろエンジンで、それでも$15だ（しかもプレリプロモもある）。
2つ目に、統率者を売るためにフェッチを収録することは再録の価値を落とし、ウィザーズの評判を下げることにもつながる。
例え売り上げが約束されているとしても、戦乱のゼンディカーにフルアートの基本土地とエルドラージを収録することで充分だと判断したのだろうし、それは正しいと思う。
ゼンディカーはここ10年で最も大した神話レアが少ないセットの一つだが、たった5枚のフェッチのおかげで2番目に売れたセットになった。
ウィザーズにとってそれだけ価値のあるカードなのだ。
3つ目は、統率者2015に含めることで様々な問題を発生させる点にある。
本来セットを欲しているプレイヤーに商品が行きわたらず、トーナメントプレイヤーや投資目的のプレイヤーが買い占めてしまう。
限定品で無いにもかかわらず、しばらく手に入らなくなるだろう。
またフェッチが含まれることで、それ以外のカードの価値が相対的に下がってしまう。
新しいカードデザインも無価値になってしまう。
本来、良いカードが高く、そうでないカードが安くあるべきだ。
以上が収録されない理由だ。
もし間違っていた場合は、私は前言撤回して必死で集めるが、そうならないことを祈っている。
5.どこでゼンディカーフェッチを手に入れればよいのか
私の見立てでは突然エキスパートレベルのエキスパンションに現れると思っている。
もしかしたら戦乱のゼンディカーの次のセットかもしれないし（マローは常に含みを持たせた言い方をして真意を掴ませない）、数年後かもしれない。
真実を知る術はない。
2つ目のセットに入れるのはスタンダードで両立する期間も短く、悪くないと個人的には思っている。
しかし大型セットに入れた方がエキサイティングであるともいえる。
次のモダンマスターズ（おそらく2017年）の可能性もある。
私はモダンマスターズを売るためにフェッチを入れることは無いと思っているが、モダンマスターズ2015がそれほど売れていないことを理由に予想する人もいる。
ウィザーズが売上を上げる最も簡単な方法として、フェッチを使用する可能性はあるが、やはりエキスパートレベルのエキスパンションの方があり得るだろう。
これらが現状予測できることだが、もしかしたらレガシーマスターズの様なものが出るかもしれない。
要点
・ゼンディカーのフェッチランドは戦乱のゼンディカーには収録されない
・ゼンディカーフェッチの値段は、一夜にして30%から108%アップした
・タルキールのフェッチ需要も引きずられて上昇しており、青黒や青白はSCGで$30を超えている
・モダン環境に大きな影響を与えることは無いが、価格面では大きく変動する
・統率者2015への収録は、いくつかの理由で非常に可能性が低い
・再録はエキスパートレベルのエキスパンションになると思われるが、早ければ次のセットだが数年後かは分からず、モダンマスターズ2017の可能性もあり、いずれにせよ最もあり得るだろう
結論
今回は以上だ。
あなたは今回の発表に驚いただろうか？
再録を見越して売ってしまっただろうか？
それとも値上がりの熱狂に参加しただろうか？
あなたの再録に関する意見も是非聞かせてもらいたい。
Twitter (or MTGO) @SaffronOlive.
コメント
いつも楽しく拝見させて頂いております(*´∇｀*)とても興味深い記事でした。特に、ゼンディカーにフェッチが再録されないことで、タルキールのフェッチが、高騰する理由が面白いですね。買う買わないは、人間の判断ですからね。人間の思考を読み解けば、おのずとどんなカードが値上がりするのかが、見えてくるんですねえ(*´ω｀*) 勉強になりましたヽ(・∀・)ノ
コメントありがとうございます！
何かのカードが高騰すると、転売を叩く意見を多く耳にしますが、実は色々な思惑が交錯しているのが面白いですよね。
またウィザーズの販売戦略まで考察に含んでいて、非常に多面的な意見だと思いました。
これからもよろしくお願いいします＾＾
最近復帰を考えているおっさんです。
ちょうどオリジンが発売されているようですが、土地がいまいち(ウルザブロック経験者なので土地の重要さだけは覚えています)。新ゼンディカーまで待とうと思っていたのでフェッチなしは残念です。
こうなるとどこから復帰すべきか迷ってしまいますね(笑
涙の川やヴェズーバなど、素晴らしい土地が収録されれば良いのですが。