【翻訳】リミテッドにおけるサイドボード戦略論 by Jacob Van Lunen

gatheringmagic.comよりリミテッドにおけるサイドボード戦略に関する記事の紹介です。
特にシールド戦にでは普遍的に役に立つ考え方だと思います。
私も相手の出したカードはメモるクセがつきました。

一部省略、意訳を含んでいますので、是非原文も見てみて下さい。
※この記事は2014年3月に旧サイトに掲載されたものです。


リミテッドに関して良く議論されるのはピック順やカードパワーについてだが、より根本的で重要な議題がある。
それはサイドボードだ。
リミテッドをプレイしているとき、《異端の輝き/Glare of Heresy》や《闇の裏切り/Dark Betrayal》は当然サイドインしているだろうが、さらに相性を改善できる方法について理解できているだろうか。
Glare of Heresy Dark Betrayal
今日はドラフトでもシールドでも使えるサイドボードの方法論についてお伝えしたい。

サイドボードをする上で最も重要なことは、対戦相手はどのような手段でこちらを打ち負かそうとしているのか、だ。
例えば自分が大きめのクリーチャーを使った緑単色デッキをプレイしていて、対戦相手が軽い飛行クリーチャーメインのデッキを使っている場合、到達持ちのカードをサイドインすることで相性を改善することができる。
自分にとって脅威となったカードを対策することで、第2、第3ゲームでより優位に立つことが出来る。

さらに良い方法は相手のクリーチャーのパワーとタフネスをメモしておくことだ。
記録することで、対戦相手の平均的なクリーチャーサイズを把握することができる。
これはサイドボーディングにとって重要な情報となる。

ではこの情報をどのように活かせばよいのか。
マジックは非常に複雑なゲームなので、劣ったカードが優れたカードを打ち負かすことも多々見られる。
例えば《一つ目峠のサイクロプス/Cyclops of One-Eyed Pass》はあまりメインデッキに入れたいカードではないが、複数の5/5や《エイスリオスの学者/Scholar of Athreos》を複数入れている場合は非常に有効である。
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ドラフトで、いわゆる“熊”デッキと対戦することは良くあることだ。
2/2や2/1を高速展開して、パンプスペルで最後まで押し切ってくる。
この手のデッキに一瞬で押し切られないための最高の回答は、3マナ2/3や4マナ2/4バニラをサイドインすることだ。
これらは3マナ2/2飛行よりもカードとしては劣るが、“熊”デッキには有効である。

一方自分がアグレッシブな熊デッキを使っていて、タフネスの高いカード中心のデッキと対峙したときはどうすればよいだろうか。
この場合はとにかく大きなクリーチャーをサイドインすると良いだろう。
急がずに対戦相手の小さなクリーチャーが攻撃してくるのを待てばよい。
相手に先にコンバットトリックを使わせることで、こちらはテンポを失わずに対処することができる。

ではいったい何をサイドアウトすれば良いだろうか。
メインデッキのカードが、常に、どんな相手にも有効なわけではない、ということを認識するべきである。
例えば《鞭の一振り/Lash of the Whip》は、中型クリーチャーに対する除去としてメインデッキに入ることが多い。
lash of
しかし対戦相手が5マナ以下の小型クリーチャーばかりだとしたら効率の悪い除去になってしまうし、タフネス5以上がフィニッシャーのデッキに対しても同様である。
1ゲーム目でそのような状況に陥ってしまった場合、2ゲーム目以降のサイドプランを考える。
どのカードがこの後のゲームで効果を発揮しそうか想像するのだ。
常にこのような意識を持つことで、最悪な事故ゲームも有益なものとすることが出来る。

サイドボーディングを意識することでピックはどのように変化するだろうか。
《悪魔の皮のミノタウルス/Felhide Minotaur》や《フィーリーズ団のケンタウルス/Pheres-Band Centaurs》はメインデッキに入れたいカードではないが、後半に積極的にピックすることは、気まぐれにヘイトドラフトするよりもデッキを強化してくれるだろう。
Pheres-Band Centaurs Felhide Minotaur

エイスリオスの学者は白青英雄デッキには入らないが、《アクロスの十字軍/Akroan Crusader》が3枚入っているようなデッキには非常に有効である。
ドラフト中には常に自分のデッキの弱点を意識し、それを克服してくれるカードを積極的にピックするのだ。
Akroan Crusader

まあまあのカードが1周するのは良く見られる光景だ。
ピック中はデッキに入りそうなカードの枚数を数えて、何が返ってきそうかを予測しよう。
予測が外れた場合はその色が過剰にドラフトされていることを意味しているので、色換えを検討した方が良いかもしれない。
決断は早い方が良く、1パック目が最も重要となる。

デッキに入っているカードは、少なくとも対戦相手のカードと1対1交換はとれなくてはならない。
ゲーム中に、自分のどのカードが相手のどれと交換できるかを意識するとよい。
例外は《海神の復讐/Sea God’s Revenge》の様に盤面を一変させるようなカードで、よほどのことが無い限りサイドアウトする必要はない。
Sea God's Revenge

いくつかのサイドボードテクニックを紹介しよう。
対戦相手が《海岸線のキマイラ/Coastline Chimera》を複数持っている場合は、タフネス1の飛行クリーチャーはサイドアウトした方がよい。
Coastline Chimera
青のバウンススペルが入ったデッキと対戦した時は、場に出たときに能力を誘発するクリーチャーを授与より先にプレイするとよい。
高タフネスクリーチャーデッキに入れたインスタントスピードの解呪は、ヒロイック戦略を崩壊させることが出来る。
《水底の巨人/Benthic Giant》は、除去系のスペルを搭載したデッキには強いが、パンプ系のスペル中心のデッキには弱い。
Benthic Giant
《沈黙の職工/Silent Artisan》やフィーリーズ団のケンタウルスは緑系のデッキに非常に有効である。
Silent Artisan

正しくサイドボードを行うことは大きなアドバンテージを生み、目の前の対戦相手用にデッキを組み替えることで勝利を確かなものにしてくれることをご理解頂けただろうか。
リミテッドは23枚のカードだけで行うものではないのだ!

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