【翻訳】殿堂プレイヤーが語る、不正行為から身を守るために by Paul Rietzl

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Channel Fireballより、殿堂プレイヤー ポール・リーツェルが、最近起こったルーキーオブザイヤー剥奪処分を受けて、どのように不正行為に対処すればよいのか、ということについて書いています。
自分が被害に合わないために、またその様なことが出来ない環境を作るためにも、是非多くの方に読んでほしい内容です。

一部省略、意訳を含んでいますので、是非原文も見てみて下さい。
※この記事は2014年11月に旧サイトに掲載されたものです。


最近起こった意図的なイカサマ事件と、それに対するDCIの処分を受けて、今回はそのような状況からどのように身を守れば良いのか、について話をしてみようと思う。

私の感覚ではトーナメントマジックで、意図的にイカサマをしているプレイヤーは5%にも満たないと思う。
しかし対戦相手を疑わしく思い、ジャッジを呼んだ経験のある人はそれなりにいるだろう。
基本的にはマジックコミュニティは誠実な人達で形成されている。
賞品が安価な場合が多いので、金銭的な動機で不正を働く人はあまりいないだろう。
そういった行為を行う人は、賞品が欲しいか、性格的に問題のある人だが、多くは勝利を求めすぎるあまり、不誠実な方法で勝者の栄誉を獲得しようとしている。

ではどのように身を守れば良いのだろう。
一つは自分で対処方法を学ぶこと、もう一つはマジックコミュニティに自浄作用が働いている、ということを知ることだ。
こういった内容は私が初めて提案するわけではなく、ロブ・ドハティ、テッド・ナットソン、ズヴィ・モーショヴィッツ、デイビッド・プライス、クリス・ピキュラといった人達も同様の記事を書いていたことがある。

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不正を黙認しない

私が10代だったころ、同じチームにイカサマ師として有名だった知人が所属していた。
誓って私は不正に手を染めたことも、そのように疑われたこともないが、多くの尊敬するプレイヤー達に、そのような仲間とは手を切るべきだと助言された。
しかし彼は普段はいい奴だったし、共にプロツアーを目指す仲間として、気にせずにプレイし続けていた。

マジックコミュニティーに属していると、不正を疑われる(もしくはしたことがある)友人がいる、というのはよくあることだ。
これ自体は仕方のないことだ。
しかし今は、10代の時期にそのような人物といることは悪影響を及ぼす、と考えている。
一緒にいることで、知らないうちに彼の不正を許容するようになってしまう、からだ。

クリーンなプレイヤーである友人には、少しでも疑問を感じたらすぐにジャッジを呼ぶようにアドバイスしてあげよう。
そして不正をしている友人とはすぐに手を切り、新しい仲間を見つけることをお勧めする。

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ルール的に正確であることを軽視しない

極度にルールに忠実な人物を軽視する傾向を我々のコミュニティは持っていると思う。
しかし正確であることに固執することは、最終的にはトーナメント環境に良い影響を与えるだろう。
細かいルールを気にする人を嘲ることは、不正が許される環境を作っていることと同意だということを認識して欲しい。

もしあなたが非常に細かい違反を犯し、対戦相手がジャッジにペナルティを求めたとしたら、それはスポーツマンシップに反する行為だと言えるだろう。
しかし首尾一貫した主張を守っているならば、あなたの正直さにルールは応えてくれるはずだ。

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ジャッジを呼ぶ

呼ぶことを躊躇してはならないし、他人が呼ぶことも妨げてはいけない。
少しでも普段と違うことがあったなら、すぐにジャッジを呼ぼう。
状況が複雑になりすぎて、何が正確か分からなくなった時も同様だ。
絶対に対戦相手の説明するルールに身をゆだねてはならない。

これは混乱を正してくれるだけでなく、ジャッジが不正確なプレイにペナルティを出す、ためにも非常に重要だ。
ペナルティを進んで受けたい人はいないので、このような行為は避けられる傾向もある。
しかしペナルティを出すという行為は、ルール的に正確なプレイをする動機になり、不正を未然に防ぐことにも繋がるのだ。

警告は重要な局面で出されるだろう。
マナの払い間違いや2枚セットランド、(意図的か判別不能な)一方のプレイヤーに有利な誘発忘れなど。
このようなルール違反をジャッジに報告することで、ジャッジコミュニティで、うっかりミスに見せかけて得をしようとする、要注意人物の情報を共有してもらうことができる。

あせらない

あなたが優先権を持っているとき、対戦相手が「もう終わり?」や「こっちのターンでいい?」と聞いてくることはよくある。
こういった問いかけには、常に「いいえ」と答えるべきだ。
殆どの場合、対戦相手は単にせっかちなだけで悪意はないだろう。
しかし、あなたに誘発忘れなどの違反をさせるために聞いてくる場合もある。
そのために彼らは急かしてくるのだ。
あなたには自分に与えられた時間を、好きなように利用する権利があるし、対戦相手のペースに合わせる必要は一切無い。
まず「いいえ」と断り、現状を素早く確認し、自分のターンを続けよう(たとえターンを終えるだけだったとしても)。

同様に、あなたはゲーム中に起こっていることを正しく把握する必要がある。
混乱しそうな時は対戦相手を制止するか、スピードを遅くしてもらおう。
もしも断られたならジャッジを呼ぼう。
相手の行動に”返事”をすることも常に忘れずに!
コンボが決まり始めると早回しになることが良くある。
また風変りなカード、古い版であったり他言語だったりを使用されることも多い。
紳士的に、対戦相手の行動に返事をし、相手のやりたことを理解していることを明示しよう。

遅いプレイを早く

一方、時間を使いすぎるプレイヤーがいることも事実だ。
もし対戦相手が、毎ターン戦闘前に30~45秒考え込んで、あなたの持ち時間を奪われそうなときは、すぐにジャッジを呼んでプレイのペースを監視してもらおう。

このような行動を30~40分許してしまうと、ジャッジを呼ぶ頃には手遅れになってしまう。
更にジャッジは、これまで対戦相手がどれだけスロープレイだったかを見ていないのだ。
待たされすぎて閉塞感を感じた時は、即座にジャッジを呼ぶことで解決するだろう。

盤面をきれいに

競技の開始前には不要なものは全てテーブルから取り除く必要があり、対戦相手にも同様のことを求めよう。
無関係な物体を取り除くことで、ゲームに集中することができ、不要なミスを犯す可能性を最小化できる。

特にサイドボードがしっかりとデッキケースに入っている、こともゲーム開始前に確認しよう。
サイドボードのカードをドローするのはよくあるイカサマの手法だ。

ライフの変化を確認する

ライフが変わるたびに確認し合うのは良い習慣だ。
フェッチランドからスタートするとき、私は「19対20」と言うことにしている。
対戦相手のライフも確認すること。
不誠実なプレイヤーが、受けるべきダメージをごまかすことは良くあることだ。
《魂の裏切りの夜》の様な、気付きにくいマイナス修正をごまかすことも考えられる。
お互いのライフを確認し合うことは、正しくゲームを行うという義務を全うすることであり、数ターン前のミスについて無駄な議論をする可能性を減らしてくれる(そしてそれらは正しく巻き戻せないことが多い)。

ライフの認識に相違がある場合はジャッジを呼ぼう。

観戦者の整理

私は自分の試合を観戦されることが大好きだ。
しかし誰かが真後ろに立った時は、対戦相手と知り合いかどうか聞くようにしている。
もしそうなら対戦相手の側で観戦してくれるように頼むためだ。
言いずらい雰囲気や言葉の壁がある場合は、ジャッジに移動してもらうようお願いしてもらっている。

もちろん観戦者の友人である対戦相手に私の情報が渡るのを防ぐためだ。
これは意図していなくても起こり得ることなのだ!
人間である以上、友人が対戦相手にトップデッキされるところは見たくないだろう。
彼を人間の性から守るためにも、彼の表情が悪影響を与えない場所に移動してもらうのだ。

枚数を数える

序盤は互いのプレイヤーが手札も含めて正しい枚数であることを確認し合う。
しかしターンが過ぎても同じでいられるだろうか。
本当に対戦相手の総枚数は正しいだろうか。
あえてドローをしないことで、こちらが引き過ぎているように見せかけてくる輩もいる。
中盤以降は手札の枚数は2,3枚になるので、追加ドローは難しくなるだろう。
そうだとしても、常に手札の枚数を確認することは自分の身を守る助けになる。

マリガンがあった場合は特に気を付けた方が良い。
マリガン後に追加ドローをするのはイカサマ師が良く使う手口で、あなたがマリガンしたことを忘れた場合に起こりうる。

鷹の目の様に見張る

対戦相手の動きを最も注意深く見るべきなのは、ライブラリーのトップを操作している時だ(占術や独楽等)。
手札に加える前に、正しい枚数であることをしっかり確認してから、手札に加えてもらう様に依頼しよう。
視線を外したり、自分の手札を見ていたり、次のターンのことを考えていてはいけない。
最も不正が起こりやすい瞬間だ、ということをハッキリ意識した方が良い。

また、解決時にも注意する必要がある。
渦巻く知識を打って戻す瞬間や、時を超えた探索で本当に5枚下に送っているのかも注意すべきだ。

最後に、対戦相手がコストを完全に支払ってから対応すること。
マナは正しく支払われているのか。
《苦しめる声》のディスカードをする前にカウンターしてはいけない。
正しい手順でプレイすることが、”意図的な”ペインランドのダメージや、追加コストの支払い忘れを防ぐ最良の方法だ。

良いシャッフル4つのポイント

残念なシャッフルとライブラリー操作が現在の最大の関心事なので、トーナメントマジックのシャッフルで最も重要な4つのことを共有したいと思う。

1.対戦相手のデッキ枚数を、可能ならばパイルシャッフルで数える
これはマークドスリーブを見つけることにも役に立つ。
更に重要なのは、最低デッキ枚数よりも少なくないか確認しつつ、イカサマも牽制できるということだ。
良くある手法は、膝の上に余分なカードを置いていたり、サイドボードからドローすることだ。
例え3ゲーム目だったとしても、デッキ枚数は適正な40枚である必要がある。
もちろんデッキ枚数が多かったとしても不正だということにはならないが、数えることで対戦相手がやろうとしていることを予測できるだろう。

2.対戦相手のデッキを必ずシャッフルし直す
ゲーム中であっても、開始時と同じように行う。
キーカードをトップに置いて、カットさせないようにするのは古くからあるイカサマだが、簡単に封じることが出来る。
但し、ゲーム中であれば数回サイドシャッフルすれば十分だろう。

3.対戦相手が自分のデッキをシャッフルしているときは、視線の先に注意する
間違いなく裏向きであることを確認する。
デッキトップがしっかりシャッフルされていることも要確認。
少しでも不審な点があればジャッジを読んで説明してもらうこと。
カードを落とした場合も即ジャッジだ。
不器用な振りをして、情報を得ようとさせないことが重要だ。

4.多くのプレイヤーが知らないが、あなたは常にジャッジにデッキをシャッフルしてもらう権利を持っている
特に、対戦相手がカードをこぼして、シークレットテクを見られる危険があると思ったときはなおさらだ。
ジャッジにシャッフルしてもらう権利は等しく与えられているものなので躊躇せずに依頼しよう。

マット・スパーリングが正しいシャッフルを伝授


(訳注:デッキをシャッフルするときは、デッキの背面を上にしたまま左側に持っていき、視線は右に。そして最後にカットすることで、トップが変わっていることを相手に示すのがポイントだそうです。)

マジックは最高のゲームで、殆どの誠実な人々のコミュニティによって支えられている。
我々はクリーンなゲームとトーナメントを求めていて、不正を行う人には正しい罰が与えられることを望んでいる。
今回共有した内容を実践して身を守るとともに、素晴らしいジャッジ達に公平性を保ってもらおう。

読んでくれてありがとう。

ポール


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