【翻訳】タルキール龍紀伝がスタンダードに与えたもの(後編) by Craig Wescoe

TCG PLAYER.comより、PTチャンプ クレイグ・ウェスコーによるタルキール龍紀伝の考察です。
前後編でお送りします。
今回は後編として、赤単アグロとドラゴンジャンドを紹介します。
前編ではナーセット入りジェスカイでした。

一部省略、意訳を含んでいますので、是非原文も見てみて下さい。


ナーセットがジェスカイに柔軟性を与える一方、次に紹介するカードは一見ゴブリンの略奪者だが、火口の爪が強化版火の玉だったのと同じぐらいのパワーを持っている。
そのカードは稲妻の狂戦士だ!

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Fireballs for Days by Craig Wescoe


4:《火飲みのサテュロス/Firedrinker Satyr》
4:《鋳造所通りの住人/Foundry Street Denizen》
4:《稲妻の狂戦士/Lightning Berserker》
4:《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
4:《ドラゴンの餌/Dragon Fodder》
4:《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
4:《稲妻の一撃/Lightning Strike》
4:《マグマの噴流/Magma Jet》
4:《かき立てる炎/Stoke the Flames》
4:《乱撃斬/Wild Slash》
20:《山/Mountain》


サイド
4:《弧状の稲妻/Arc Lightning》
4:《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》
2:《力による操縦/Harness by Force》
2:《鍛冶の神、パーフォロス/Purphoros, God of the Forge》
3:《灼熱の血/Searing Blood》


レッドデックウィンは、コントロールデッキや緑信心が増えるたびに隆盛してきた。
小型クリーチャーを高速展開し、最後は火力でとどめを刺す戦法だ。
しかしこのデッキは伝統的に二つの弱点を持っている。

1つ目はライフゲインだ。
多くのライフを得られてしまうと焼ききれなくなってしまう。
2つ目は悲哀まみれや神々の憤怒への対処方法だ。
これらの軽い除去を打たれると、鋳造所通りの住人だけで火力圏内に到達できることを祈るしかない。
この弱点を補完するのが、稲妻の狂戦士とドラゴンの餌(少し劣るが)の2枚だ。

稲妻の狂戦士は赤単が最後に求めていたパーツといえる。
ゲームプランは軽いクリーチャーを全展開して、可能な限り早めにライフを削ることだ。
そして展開しつくしたら狂戦士にありったけのマナをつぎ込んで、火の玉の様に突撃すればよい(しかも基本パワーが1ある)。
そして再度相手のガードが下がる時を待って温存することができる。
使いまわせる火の玉の存在は、火力を除去として使ったためにライフが残ってしまう、という事態を防いでくれる。
稲妻の狂戦士がゲームを終わらせてくれるからだ。

また悲哀まみれや神々の憤怒(あるいは弧状の稲妻)に強いのもよい。
その際もゲームプランは同じだ。
ラスを打たれる前に殴り切るか、その前に一掃されるかのどちらかになる。
これからは全体除去に備えて鋳造所通りの住人を温存する必要はない。
狂戦士で返しに4点与えて、それを繰り返せばよい。
またドラゴンの餌があると、鋳造所通りの住人で2ターン目に3点ダメージを与えることができる。
全体除去されたとしても、軍族童の突発で再度場を構築できる。

ナーセットはジェスカイを大幅に強化し、恐らく他のデッキでも使われるが、稲妻の狂戦士とドラゴンの餌は赤単の弱点を補強してくれる。
それは古き良き火の玉入りのデッキの様だ。
これまでは既存のデッキのアップデートを見てきたが、最後にタルキール龍紀伝をフィーチャーしたデッキを紹介しよう。

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Dragon Jund by Craig Wescoe


4:《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
2:《龍王コラガン/Dragonlord Kolaghan》
4:《龍王の召使い/Dragonlord’s Servant》
4:《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
4:《嵐の憤怒、コラガン/Kolaghan, the Storm’s Fury》
2:《鱗衛兵の歩哨/Scaleguard Sentinels》
4:《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》
4:《森の女人像/Sylvan Caryatid》
4:《雷破の執政/Thunderbreak Regent》

4:《稲妻の一撃/Lightning Strike》

4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
3:《森/Forest》
4:《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
1:《マナの合流点/Mana Confluence》
3:《山/Mountain》
1:《沼/Swamp》
4:《奔放の神殿/Temple of Abandon》
4:《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》

サイド
3:《神々の憤怒/Anger of the Gods》
3:《命運の核心/Crux of Fate》
2:《破壊的な享楽/Destructive Revelry》
3:《前哨地の包囲/Outpost Siege》
4:《思考囲い/Thoughtseize》


包囲サイの登場以降、スタンダードでジャンドが活躍することはなかった。

しかし龍紀伝の登場で環境が変わるだろう。
ジャンドがアブザンに優っている点は、マナ加速から巨大で、速攻持ちで、対処しづらいドラゴンをプレイできることだ。
エルフの神秘家、森の女人像そして龍王の召使いは正しくドラゴンのために採用されている。
鱗衛兵の歩哨は加速できなかった場合の保険として役に立つ。
対戦相手に降りかかる災厄を見せつけることで追加ボーナスを得ることが出来る。

3ターン目の雷破の執政は相当強力だ。
灰雲のフェニックスと同じ打点を持ち、ドラゴンを除去しようとする度に追加ダメージを与えてくれる。
もし2枚の火力で除去しようとしたら、6点ダメージだ。
更に重要なのは、これ自身がすぐさま対処しなければならない脅威であり、次の攻め手のために除去を温存させない、という点にある。

嵐の息吹のドラゴンと嵐の憤怒、コラガンは、雷破の執政の次にプレイするクリーチャーとして非常に強力だ。
そして最後に最強の龍王コラガンが控えている。
この神話ドラゴンは既に刃の翼ロリックスと同じサイズだ。
タップアウトしている対戦相手にとどめをさすだろう。
さらに10点ダメージというプレッシャーもかけることができる。
更に他のクリーチャーにも速攻を与えるという能力により、早くゲームを終わらせるだろう。
このデッキは幾つかの点でメタゲーム上、優位にあるといえる。
まず速攻持ちが多いということ。
コントロールデッキがプレインズウォーカーやソーサリーをプレイした隙をつくことができる。
命運の核心がクリーチャーの半分にしか効かないのも利点だ。
飛行持ちが多いということも、緑のランプ系デッキに有利がつく。
更にサイドボードにも色々な選択肢がある。

4枚の思考囲いはコントロールやヒロイックとのマッチアップで活躍する。
破壊的な享楽はエンチャント対策だが、場合によっては自然に帰れと差し替えても良いだろう。
前哨地の包囲は、ミッドレンジやコントロールなど、長引く相手に強力だ。
神々の憤怒と命運の核心はアグロデッキだけでなく、ヒロイックや緑信心にも活躍する。
命運の核心で”ドラゴン以外”を選択すると、自分のドラゴンだけが場に残るのだ!
神々の憤怒も女王スズメバチを一方的に除去できる。

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結論

タルキール龍紀伝には強力なカードが揃っている。
ナーセットは今回紹介したジェスカイ以外にも幅広く使われるだろう。
エスパーでアショクと、またはバントで狩猟者やキオーラと組み合わせてもよいだろう。
稲妻の狂戦士とドラゴンの餌は、赤単に悲哀まみれへの回答を与えた。
最後にドラゴンジャンドは新たな強力デッキとして、メタゲームに一石を投じることになるだろう。

あなたは一番興奮したカードはどれだっただろうか?

Craig Wescoe
@Nacatls4Life on twitter

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