【翻訳】モダンマスターズ2015シールド、カード評価の極意 by Matt Costa

Channel Fireballより、マット・コスタによるモダンマスターズ2015シールドの分析です。
単純な点数付けではなく、環境の本質を探っています。

一部省略、意訳を含んでいますので、是非原文も見てみて下さい。


最近リミテッドをプレイしていて思うのだが、前環境で活躍したカードの評価を引きずっている人が多いように感じる。
特にタルキール覇王譚と運命再編で《引き剥がし》と《払いのけ》の評価が高すぎると強く感じた。
その原因はテーロスブロックで《航海の終わり》《捕海》《傲慢》がトップコモンだったことが原因だと分かった。
最終的にKTK×3では《ラクシャーサの秘密》を積んだスゥルタイコントロールが非常に強く、このカードは過小評価されていた。

同じような傾向はシールドデッキでも多くみられる。
ドラフトの評価に引っ張られて、2マナクリーチャーやコンバットトリックの評価が高すぎたり、大型クリーチャーや終盤用のカードの評価が低すぎたり、といったことだ。

モダンマスターズ2015のシールドは、いわゆる”普通”のシールド環境だと思う。
ボム、除去がメインで、軽いクリーチャーよりもアドバンテージカードの方が重要だ。
そしてシナジーが期待できるプールでは非常に強力なカードがある。
金属術、スピリット、トークン、増殖などだ。

ではモダマス2015の裏側をみていこう。

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色対策

モダマス2015ではアンコモンに色対策カードが含まれている。
《天界の粛清》や《焼却》の様にモダンで広く使われるものから、《死の印》や《瞬間凍結》など、たまに使われるだけだが充分なカードパワーを持っているものまで。
いつも通り緑の色対策カードはあまり強くないが、皮肉なことに《カープルーザンの徘徊者》はメインデッキに入る可能性がある。

タルキール龍紀伝シールドでは《正義のうねり》や《氷固め》はメインデッキに入れてもおかしくないカードだった。
実際MOPTQで《正義のうねり》をメインに入れていたが、使わなかったのは8ラウンド中1試合だけだった。

一方、モダマス2015は龍紀伝と違い色が分散しているので、4分の3の対戦相手のデッキに黒か赤のカードが入っている、ということは無い。
単純に強い色を使ってくるだろう。

機会費用の面からも考えることができる。
龍紀伝シールドでは、無駄になるリスクを負ってでも《正義のうねり》を《砂嵐の突撃者》より優先することが、結果的にデッキパワーの底上げにつながった。
モダマス2015では通常のカード選択をした方がよいだろう。

結論:メインデッキではない

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カウンタースペル

謎めいた命令の他にも《マナ漏出》と《冷静な反論》がコモンに、《差し戻し》がアンコモンにある。

モダマス2015シールドではカウンタースペルは非常に強力だと考えている。
基本的にボム環境で、アグロもあまり強くないからだ。
さらにシナジーデッキも特定のパワーカードに依存している場合が多いので、キーカードを対処すればゲームプランを崩すことができる。

シールドでは絶対にカウンターしたい、重いボムをプレイされるのが前提だ。
私は、対戦相手のデッキにはカーンが入っている、という前提でプレイしている。
エリシュ・ノーン、彗星の嵐、黒命令、圧倒する暴走、黙示録のハイドラも同様だ。

青マナが二つ出せるなら冷静な反論がベストだ。
マナ漏出が役に立たない後半でも活躍する。
一方、マナ漏出は《不退転の大天使》《銀白のスフィンクス》《蟻の女王》の様な軽めのレアには強い。
またX呪文にも相性が良い。

差し戻しは、シールドでは、カウンターというよりもブーメランなのでデッキに入らない。
青白の飛行テンポデッキが出来たときは使うが、コントロール要素のあるデッキならやめておいた方がよいだろう。

カウンタースペルが強いことは分かってもらえたと思うが、特定の相手には瞬間凍結が最強のサイドカードだということも覚えておいてほしい。

結論:メインデッキ

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エンチャント破壊

モダマス2015で使われるエンチャントは少ない。
《拘引》《睡眠発作》がコモンで、《忘却の輪》《不眠の晒し台》がアンコモンにあるぐらいだ。
なので《古の法の神》はスピリットシナジーがなければ微妙なラインといえる。
擬似エンチャント除去まで考えると、《使徒の祝福》や《来世への旅》の方が優れている。
使徒の祝福はシールドでは積極的に使いたいカードではないが、来世への旅は色々な使い道がある。

結論:メインデッキには不要

アーティファクト破壊

エンチャントと違い、モダマス2015にはアーティファクトが溢れている。
金属術はメインテーマの一つなので、アーティファクト対策が大活躍するマッチがある。

《合金のマイア》や《まばゆい魂喰い》は広くデッキに入るコモンだ。

だとしても、《隔離する活力》《天羅至の掌握》《粉々》はサイドボードのトップに置いておくに留めた方が良いだろう。
青と白はアーティファクトだけでなくエンチャントも多く使う色なので、活力や掌握が大活躍する。

コンバットトリック

モダマス2015のシールドはクリーチャーが1対1交換を繰り返す環境ではない。
大抵は強烈な一撃か、トークンで盤面を制圧して決まるだろう。
《ヴェリズ・ヴェルの刃/Blades of Velis Vel》《変異原性の成長/Mutagenic Growth》《粗暴な力/Brute Force》《ヴェリズ・ヴェルの翼/Wings of Velis Vel》《力強い跳躍/Mighty Leap》 は基本的にデッキに入らない。
《印章の祝福》や《補強》はトークンデッキで活躍するが、本当にそのプランで行ける時だけにしておいた方がよいだろう。
この環境には除去や対抗策が多くあるので、コンバットトリックに頼った戦略は強力ではない。

《巨森の蔦》や《使徒の祝福》などのプロテクションスペルは少し話しが違う。
ボム環境なので、自分のボムを除去から守ることができれば非常に有利に立てるだろう。

結論:可能な限り避ける

装備品

ここが最も意見の分かれるところだと思う。
消耗戦中心の環境であれば、全てを脅威にしてくれる装備品は強いだろう。
一方、除去が多い環境では装備品に頼るのは危険だ。
トークン、金属術、白赤二段攻撃のように、装備品の恩恵を受ける戦略もあるが、それ以外ではあまり活躍しないだろう。

大抵のデッキは、ありったけの除去と数枚の6マナボムを中心にして、10~11枚程度の中ぐらいのクリーチャーで構成される。
そのデッキに本当に《ダークスティールの斧》は必要だろうか。
トークンや《トゲ撃ちの古老/Spikeshot Elder》《組み直しの骸骨/Reassembling Skeleton》がいるなら入れた方が良い。
しかし”普通”のシールドデッキでは、斧タイプのカードはそこまで必要ではないだろう。

結論:よく見きわめる

小型クリーチャー

初めに戻るが、この環境は熊環境ではない。
トークンの大群、4マナボム、2・3マナの加速が多い環境では、すぐに役に立たなくなるだろう。

この環境にもアグロデッキは存在するが、それは 《ナーリッドの群れ/Gnarlid Pack》《鎌の切り裂き魔/Sickle Ripper》を必要としない。
二段攻撃、金属術、スピリットを中心としたデッキだろう。

《雲の精霊/Cloud Elemental》や《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》の様にマナ効率の良いカードも、後半を考えるとあまり使いたくない。
このシールドのアグロデッキは10点中か9点か2点のどちらかだと思う。
2点にならないように気をつけること。

結論:使わない

早くもプレイした人達からは、モダンマスターズ2015のシールドは5色のグッドスタッフになることが多い、と聞いている。
コモンにマナ加速が多く、さらに多色補助カード、ラヴニカのお帰りランドが全てを突っ込むことを助けている。
特に強力なアーティファクトや増殖カードが出たときは、多くのコモンやアンコモンとのシナジーを期待できる。

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