【翻訳】チェコの強豪が考える『マジック・オリジン』構築向きカード(後編・PWとその他) by Adam Koska

チェコの強豪アダム・コスカによるマジック・オリジンの構築レビューの後編をお送りします。
前編では信心系の可能性に触れられていましたが、今回はプレインズウォーカーと新しいタイプのカードについて触れています。
ギデオンとリリアナの項は、モダンに関する記事の抜粋で、それ以降が前回の続きとなっています。

一部省略、意訳を含んでいますので、是非原文も見てみて下さい。


新しいセットの発売を控えていると特別なことが色々ある。
特に今回は最後の基本セットだし、過去のメカニックも使われるらしい。
でもやはり一番気になるのは、5種類の新プレインズウォーカーだろう。
全てがイニストラードの変身カードの様に両面になっている。
まずジェイス、チャンドラ、リリアナの新しい一面がみられるという、フレイバーが素晴らしい。
そして彼らがどのようにしてプレインズウォーカーになったかも。
そしてその時が来ると彼らは変身する。
ではトーナメントでのポテンシャルについてもみてみよう。

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アクロスの英雄、キテオン

アクロスの英雄、キテオン 歴戦の戦士、ギデオン
非常にユニークな能力で評価するのが難しいので、まずはキテオンの素の能力を評価してみよう。
デッキが合えば1マナ2/1は使う価値がある。
能力も攻撃的ではないが、ブロッカーとして優秀だ。
しかし最も重要なのはチャンプアタックをしながら、別のクリーチャーと一緒に攻撃し、変身できることだ。
戦闘後、すぐに能力を起動することができる。
攻めているときは対戦相手のクリーチャーに攻撃を強制できるし、守っているときは1対が鉄壁のブロッカーになる。
しかしキテオンの条件を考えると、アグレッシブなデッキが似合っている。
3ターン目に変身させられたら最高のスタートだ。
しかしレジェンドなので4枚はデッキに入れたくないのが難点(1対変身したらプレイできるが)。
デス&タックスか白ウィニーで使われるだろう。

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異端の癒し手、リリアナ

次は黒いカードだ

異端の癒し手、リリアナ 反抗する屍術師、リリアナ
評価が非常に難しい。
クリーチャーとして考えると非常に弱いが、一旦変身すると対戦相手を絡めとるような能力だ。
プレインズウォーカーとしてみると、どの能力も強力だと言えるだろう。
盤面に干渉する能力は無いが、墓地から戻す能力が変身条件と噛み合っているので、それをブロッカーにできる。
奥義は毎ターンプラスしても到達するのは難しいだろう。
ここで問題になるのが、対戦相手の強力を得ずにどう変身するのか、ということだ。
現環境だと軍族の解体者、血顎の狂信者、アンデッドの大臣、シディシあたりだろうか。
頭巾被りのハイドラをX=0で出すという強引な方法もあるが、真面目な話は解体者かシディシが能力とのシナジーも考えてベストだろう。
サテュロスの道探しはリアニ能力を活かすためにも、シディシのためにも有効だ。
解体者は4マナなので、例えばディスカードした後に、戻すこともできる。

変身前の弱さを考えると何枚デッキに入れるか考え所だ。
黒信心系のデッキで、アスフォデルの灰色商人(まだスタンダードにいるって覚えてた?)を戻したり、信心を稼ぐのは一つの手段だ。
プレインズウォーカーになってしまうと信心は0だが、そんなことは気にしなくてよいパワーを持っている。

(訳注:ここより前回の記事の続き)

前回、白と黒のプレインズウォーカー、ギデオンとリリアナについて紹介した。
他の3枚も興味深いが今回はジェイスとニッサについて話をしよう。

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ヴリンの神童、ジェイス

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《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》の強みはたった2マナで比較的簡単に変身することができる点で、フェッチランドがある環境ではなおさらだ。
しかし本質的な問題も持っている。
コントロールデッキ向きの能力で、ロングゲームで活躍するカードだ。
しかし本来コントロールデッキ相手に腐る、乱撃斬や胆汁病が活躍してしまう。
なのでコントロールミラーのサイドカードで使われることが多いだろう。
ルーター能力は強いし、2マナなのも素晴らしい。
タップアウトする必要もなく、複数回瞬唱能力を起動できれば充分だ。

巨森の予見者、ニッサ

巨森の予見者、ニッサ 精霊信者の賢人、ニッサ
《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer》については色々いわれているが、私はスタンダードではとても活躍すると思う。
国境地帯のレインジャーと護民官の道探しはどちらもスタンダードで広く使われていたし、ニッサが森しかサーチできないとしても確実にアドバンテージを稼ぐし、変身後の能力も5種の中で最高だ。
当面の問題は、代表的なマナクリーチャーであるエルフの神秘家と森の女人像がどちらも強力で、しかしニッサの変身には役立たないことぐらいだ。
土地を伸ばすとしたら、ボーナス付きの耕作である《ニッサの巡礼/Nissa’s Pilgrimage》もあるが、本来緑が求めているのは加速よりも色マナの安定だ。
その意味では爆発的植生の方がマッチしていて、最速5ターン目に変身して、運命の核心後に4/4を出す、ということもできる。
マナを伸ばすことに価値があるデッキとは非常に相性が良く、龍王アタルカを入れてもよいだろう。

《衰滅/Languish》

衰滅
みんな滅びが再録されていることを望んでいるが、また別タイプの黒ラスが登場した。
運命再編には運命の核心があったが、今回は《衰滅/Languish》だ。
滅びには劣るが、それ以外よりは優れている。
運命の核心ではドラゴンを上手く使えば疫病風だが、衰滅ではタフネス5以上が求められる。
黒には幸運なことに多くの高タフネスクリーチャーがいる。
ラスの方が使い勝手が良いとはいえ、タシグルをはじめとして、龍王シルムガル、アンデッドの大臣、シディシ、破滅喚起の巨人などはどれも衰滅を耐える。
また緑と組み合わせて、ポルクラノスや高木の巨人を使ってもよい。
このカードのためにデッキを捻じ曲げる必要は無いが、アグレッシブなデッキ相手には、運命の核心の4マナと比較すると、1マナの差は非常に大きい。
黒いコントロールデッキはどちらも採用すると考えているが、タシグルとの相性の良さは見逃せない。

《神聖なる月光/Hallowed Moonlight》

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神聖なる月光は一見、非常に控えめなものに見えるが、実は色々な使い方がある。
そのターンしか効果が続かないので、使い勝手の悪い墓掘りの檻のような、微妙なサイドカードに見えるが、キャントリップがついているので不要な時は使いまわすことができる。
しかし現環境では活躍する場面が多いので、メインデッキに入れてもよいぐらいだ。
不要な時はさっさとサイクリングすればよい。
アブザンアグロ以外のアグロ(特に赤)に有効で、コントロール相手には躊躇なくサイクリングしてしまえる。
疑念の影の様なカードだと言えるだろう。

例えばスタンダードではこんな使い方ができる
・死霧の猛禽が帰ってくるのを阻止する(訳注:戻しても”よい”なのでリムーブはできません)
・トークン生成能力、例えばドラゴンの餌、軍属童、荒野の確保、風番いのロックの相方、エルズペス、ソリン、ゼナゴスなど
・灰雲のフェニックスを復活させない
・エレボスの鞭の能力
・書かれざるものの視認、集合した中隊、起源のハイドラ(の能力の半分)、女王スズメバチをカウンター
・囁きの森の精霊や見えざるものの熟達の予示能力

モダンでは更に強力だ
・メリーラの頑強
・トークン能力(未練ある魂、高原の狩りの達人、スラーグ牙、若き紅蓮術士、波使い)
・召喚の調べ、集合した中隊だけでなく、歯と爪や起源の波も止めることができる
・双子コンボを1ターン引き伸ばす
・修復の天使などのブリンク能力
・そして最も重要なのが、裂け目の突破、御霊の復讐、堀葬の儀式などのリアニメイト系スペルだ

霊気の薬瓶は出さないことを選択できるのであまり効果がない。
しかし差し戻しの様に、時間を稼ぐことはできる。

スタンダードとモダンでの使い道はこれぐらいだろう。
ものすごく使われるということはないだろうが、トークン系のデッキが流行ったときは使われることになるだろう。
メタゲームによってお呼びがかかるタイプのカードだ。

今回は以上だ。
読んでくれてありがとう。
あなたのオリジンのお気に入りのカードについても是非教えて欲しい!

アダム


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