【翻訳】欠片の双子が禁止になった本当の理由&モダン環境の未来予想図(後編) by Neal Oliver

Channel Fireballより、モダン環境に関する記事です。
前編に引き続き、欠片の双子の禁止がモダンフォーマットにどの様な影響を与えるのかみていきましょう。
強化されたアンフェアなデッキ一覧の続きからです。

一部省略、意訳を含んでいますので、是非原文も見てみて下さい。


Grishoalbrand By Bob Huang

2:《山/Mountain》
4:《沼/Swamp》
2:《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs》
2:《血の墓所/Blood Crypt》
4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
4:《悪意の神殿/Temple of Malice》
1:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》

4:《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》
4:《世界棘のワーム/Worldspine Wurm》
2:《怒れる腹音鳴らし/Borborygmos Enraged》
4:《グリセルブランド/Griselbrand》

2:《捨て身の儀式/Desperate Ritual》
4:《御霊の復讐/Goryo’s Vengeance》
4:《魔力変/Manamorphose》
4:《滋養の群れ/Nourishing Shoal》
1:《有毒の蘇生/Noxious Revival》
4:《裂け目の突破/Through the Breach》
4:《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
4:《夜の囁き/Night’s Whisper》

サイドボード
4:《血染めの月/Blood Moon》
1:《稲妻の斧/Lightning Axe》
3:《否定の契約/Pact of Negation》
2:《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
2:《紅蓮地獄/Pyroclasm》
2:《粉砕の嵐/Shatterstorm》
1:《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》

このデッキも理不尽に2ターンキルを決めてくる。
個人的には、御霊の復讐も禁止になると思っていたがそうならなかった。
おそらくウィザーズは勝率を計算して、まだ環境に残してもよいと判断したのだろう。
御霊の復讐はヴリンの神童、ジェイスという新しい武器も得た(ジェイス自身は環境を変える可能性がある良いカードだ)。
グリセルショールブランドはより洗練されるだろうが、既にルールを破っているこのデッキが許されるかどうかは常にギリギリだ。

Storm By Jon Finkel

4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
3:《霧深い雨林/Misty Rainforest》
3:《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
2:《蒸気孔/Steam Vents》
3:《島/Island》
1:《山/Mountain》

4:《ゴブリンの電術師/Goblin Electromancer》

4:《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4:《手練/Sleight of Hand》
4:《血清の幻視/Serum Visions》
4:《思考掃き/Thought Scour》
4:《魔力変/Manamorphose》
4:《発熱の儀式/Pyretic Ritual》
4:《捨て身の儀式/Desperate Ritual》
4:《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》
3:《炎の中の過去/Past in Flames》
3:《捨て身の狂乱/Desperate Ravings》
2:《ぶどう弾/Grapeshot》

サイドボード
3:《粉砕の嵐/Shatterstorm》
3:《血染めの月/Blood Moon》
3:《巣穴からの総出/Empty the Warrens》
4:《稲妻/Lightning Bolt》
1:《防御の光網/Defense Grid》
1:《残響する真実/Echoing Truth》

おぉ、ストーム!
古えのデッキを他ならぬジョニーマジックが使っている。
紅蓮術士の昇天が場に残れば、高い確率で3ターンキルが可能だ。
3ターン目の何もない盤面で、ゴブリンの電術師とマナ加速からぶどう弾につなげることも可能だ。
このデッキは手札破壊と除去、特に突然の衰微に弱いが、注意するべきデッキだ。
今後、対戦相手が青と赤マナを立てて何もプレイしない場合、ストームである可能性が高い。
双子と違い重要になるのは3ターン目だ。

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勝者:フェアデッキ

Living End By Dmitry Butakov

2:《森/Forest》
2:《山/Mountain》
2:《沼/Swamp》
4:《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs》
1:《血の墓所/Blood Crypt》
4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
3:《銅線の地溝/Copperline Gorge》
1:《草むした墓/Overgrown Tomb》
1:《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》

4:《意思切る者/Architects of Will》
4:《死の一撃のミノタウルス/Deadshot Minotaur》
2:《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre》
4:《大爆発の魔道士/Fulminator Mage》
2:《ジャングルの織り手/Jungle Weaver》
4:《巨怪なオサムシ/Monstrous Carabid》
2:《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》
4:《通りの悪霊/Street Wraith》

3:《内にいる獣/Beast Within》
4:《悪魔の戦慄/Demonic Dread》
3:《死せる生/Living End》
4:《暴力的な突発/Violent Outburst》

サイドボード
2:《斑の猪/Brindle Boar》
3:《窒息/Choke》
1:《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre》
2:《鋳塊かじり/Ingot Chewer》
3:《虚空の力線/Leyline of the Void》
4:《叫び大口/Shriekmaw》

リビングエンドは常にTier1の間にいたが、双子の後退によって大きな恩恵を受けた。
差し戻しは死せる生に対する最強の対策で、今後はうたれる可能性が減る。
さらにメインから4枚の大爆発の魔導士を詰めるデッキであり、エルドラージデッキやトロンに対して強力だ。
また感染のパンプスペルやボーグルズに対しても、インスタントスピードで妨害することができる。
現在のメタゲームから単純に双子とブルームが無くなったと仮定すると、非常に良い立ち位置にいるだろう。

RG Tron By Ali Antrazi

1:《森/Forest》
1:《ウギンの目/Eye of Ugin》
2:《幽霊街/Ghost Quarter》
4:《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》
4:《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4:《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4:《ウルザの塔/Urza’s Tower》

2:《呪文滑り/Spellskite》
3:《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger》
3:《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》

4:《解放された者、カーン/Karn Liberated》
1:《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》

4:《古きものの活性/Ancient Stirrings》
3:《紅蓮地獄/Pyroclasm》
4:《森の占術/Sylvan Scrying》
4:《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
4:《彩色の星/Chromatic Star》
4:《探検の地図/Expedition Map》
4:《忘却石/Oblivion Stone》

サイドボード
2:《炎渦竜巻/Firespout》
4:《自然の要求/Nature’s Claim》
1:《真髄の針/Pithing Needle》
2:《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2:《引き裂く流弾/Rending Volley》
2:《呪文滑り/Spellskite》
2:《スラーグ牙/Thragtusk》

3ターン目にカーン、4ターン目にウラモグを出すことができる。
フェアでないと思うかもしれないが、トロンはスピードを犠牲にして安定性を得ているのだ。
一旦回り始めれば止められるデッキはないが、土地破壊とアンフェアデッキの高速クロックが弱点だ。
トロンに相性が良い双子が脱落した状況でトロンがトップメタになるのは明らかで、サイドの対策カードの枚数も増えるだろう。
最も簡単な勝ち方はサイド後の血染めの月だと考えるだろう。
しかしトロンは簡単に緑マナを出せるので自然の要求をうたれるし、単純に6枚土地を並べてワームとぐろエンジンもあり得る。
スピードを上げつつ妨害するのが正解で、同時にエルドラージにも対処できる。

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敗者

Jund By Reid Duke

1:《森/Forest》
2:《沼/Swamp》
4:《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs》
1:《黄昏のぬかるみ/Twilight Mire》
2:《樹上の村/Treetop Village》
2:《怒り狂う山峡/Raging Ravine》
2:《草むした墓/Overgrown Tomb》
1:《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
1:《血の墓所/Blood Crypt》
4:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
3:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
1:《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》

4:《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
4:《闇の腹心/Dark Confidant》
3:《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
1:《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》
2:《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》
1:《雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite》
1:《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》

4:《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》

4:《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
2:《思考囲い/Thoughtseize》
4:《稲妻/Lightning Bolt》
1:《突然の衰微/Abrupt Decay》
3:《終止/Terminate》
2:《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》

サイドボード
2:《古えの遺恨/Ancient Grudge》
3:《大爆発の魔道士/Fulminator Mage》
2:《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》
1:《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》
1:《思考囲い/Thoughtseize》
1:《強迫/Duress》
1:《破壊的な享楽/Destructive Revelry》
1:《粉砕の嵐/Shatterstorm》
1:《殺戮の契約/Slaughter Pact》
1:《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren》
1:《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》

ジャンドはバランスの取れたフェアなデッキだ。
4ターンルールを守り、手札破壊と除去で対戦相手のゲームプランを妨害する。
このデッキは、ヴェールのリリアナと組み合わせて双子を倒すことで勢力を伸ばしていた。
アミュレットブルームには相性が悪かったが、それ以上に相性が悪いデッキが隆盛するだろう。

死せる生はジャンドのアタッカーを一掃する。
トロンは高速で対処できない脅威を展開する。
ストームは素早く墓地を肥やし、炎の中の過去で活用できる。
グリセルショールブランドは2ターンで勝利する。
感染は、衰微で対処できない、墨蛾の生息地で毒死させるだろう。
ボーグルズには唯一相性が良い!
ポイントになるのは、ジャンドが倒すべき遅いデッキがいないことだ。

私の考えでは、ジャンドが今回の禁止で最も割を食ったデッキだと思う。
バーンも他のアンフェアデッキよりも遅く、このリストに加えようかと思ったが、大歓楽の幻霊が強力だ。
ストームと感染はたった1枚で投了なので、バーンは悪い選択ではない。
基本的にはコンボデッキの1つと考えられるだろう(コンボとしては2線級だが)。

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未来予想図

モダン環境から凶悪なコンボデッキは去ったが、その座を狙うデッキが沢山潜んでいる。
双子亡き後、トロンが環境を定義するデッキになるだろう。
もはやニッチなデッキではない。

双子は環境の多様性を阻害していたかもしれないが、双子が使う最低限の打ち消し呪文が、単純なスピードレースを抑止していた。
一方、双子コンボの恐怖から解放され、3ターン目以降に衰微を構え続けることなく、やりたいことをやれるようになったともいえる。

今回の禁止で良かったと思う点は、メタゲームの重要性が増したことだ。
モダンの全てのデッキには致命的な対策カードが存在する。
ジャンドが私の予想通り数を減らすなら、ボーグルズに対する警戒を強める必要がある。
サイドボードのスペースは更に厳しくなるだろう。
私のアドバイスは、攻めの姿勢を崩すことなく、当たりそうなデッキに対するヘイトカードをサイドボードに入れる、ということだ。

今回の禁止は多分に実験的な側面を持っている。
双子禁止は前例の無い出来事だ。
今回の禁止を求めている人は多くなかったし、まだ環境には危険なデッキが潜んでいる。
今後を暖かく見守りたいと考えているが、良い結果になるのか、それとも悪い結果になるかはわからない。
環境の多様性は増し、コンボの恐怖に怯えることは無くなった。
しかし双子が存在するという前提が、めちゃくちゃなコンボまみれの環境になるのを防いでいた、ともいえる。
私の予測は合っているだろうか?
現時点ではなんとも言えないが、幸運にも答えは間も無く出る。
プロツアー『ゲートウォッチの誓い』はもう目前なのだから。

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