【翻訳】記憶を埋め込め!対戦相手のプレイをコントロールする(前編) by Paulo Vitor Damo da Rosa

Channel Fireballより、PVによるプレイングガイドです。
非常に高度なブラフを超えたテクニックです。
これが分かるとプロツアーの観戦もより面白くなるでしょう。
今回は前編をお送りします。

一部省略、意訳を含んでいますので、是非原文も見てみて下さい。


マジックというゲームは、全ての行動が対戦相手に影響を与える。
あなたがアグレッシブにプレイすれば、向こうは他の攻撃手段も警戒する。
もしリミテッドで3/2に破滅の刃を打ったとしたら、重い手札かつ他にも除去があると思うだろう。
毎ターン赤マナ一つを残したら稲妻をインスタントタイミングで構えているしるしだ。

強いプレイヤーはこのことを理解しているので、対戦相手の送ってきたシグナルに反応しつつ、こちらはなるべく渡さないようにしている。
最高のプレイヤーは兆候を見せないだけでなく、相手のミスを誘う、操作されたシグナルを送ることが出来る。
これは情報を一切与えないよりも効果的で、さながら映画「インセプション」の様だ。

対戦相手にプレイしてほしい様に情報を埋め込むには、そこに導くプレイが唯一の方法だ。
つまり、虚構を真実だと思わせる何か、を含ませておくのだ。

パンプスペルを持っていると思わせたいのなら、持っているときと同様のプレイをする必要がある。
よくある間違いは、本当にパンプスペルを持っているときと同様に、一体だけでアタックすることだ。
複数体で行かなければいけない。
本当だと信じ込ませるためには、場合にもよるが、中途半端が最も良くない。

また埋め込むためには、いつか取り返せることを信じて、あえてリソースを無駄にすることも必要な場合がある。
このとき犠牲にしたものの意味が、後々明らかになることを期待してプレイする。
対戦相手の判断ミスは現在の犠牲よりも大きなリターンとなるはずだ。

この仕込みが成就しなかった場合、何も得るものはない。
つまり対戦相手に、そっちの(誤った)プレイの方が得だ、と思わせるだけの材料に欠けていたことになる。
またこちらの狙った通りに考えていたとしても、結果としてプレイが変わらない場合もある。
もしこのプレイが本当だと信じ込ませることが出来たならその後のゲームの何が変わるのか、ということを慎重に判断しなければいけない。

対戦相手を操るのは本当に難しいが、最高のプレイヤー達は芸術のようにやってのける。

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負けそうな状況を活用する

最も判断を誤らせやすいのは、こちらが勝ちそうな場面だ。
通常のプレイヤー負けの可能性を恐れるあまり、必要以上に警戒してしまう。
実際、対戦相手をコントロールするのは勝ちかけの盤面が多い。

例えばエストラッティとマーテルのブラフをみてみよう:

これは有名なプレイなので見たことがあるかもしれない。
このゲームで重要になるのは、マーテルの呪禁付き《意思の詐話師》のアンタップしたところだ。
エストラッティパンプスペルを使って、さらにスペルを持っていそうなしぐさまでみせる(もし持っていれば勝負が決まる)。
マーテルがブロックしないことを宣言するまであおり続ける。
もちろんマーテルも、エストラッティがパンプスペルを持っていて、このまま負ける可能性は考えたはずだ。
しかし実際には何も持っておらず、タップしようとした2マナはチャンプブロックを誘うためのものだった。

このプレイはエストラッティがマーテルを、ここで負ける可能性がある、と確信させて完成だ。
そうでなければ青白デッキ相手に、ブロックされていないクリーチャーをパンプする意味などない。
しかも2マナまで使って。

通常の状況ではマーテルは絶対にブロックしない。
意思の詐話師は強力で青白対決では除去手段が少ない。
ブロックする理由はただ一つ。
エストラッティがゲームを決めるカードを持っていた場合だけだ。
実際に彼はパンプスペルという代償も払っている(これは後々、詐話師の能力をフィズらせるのにもつかえる)。
そして負けの可能性をちらつかせることで、チャンプブロックという利益を狙った。
もし決まれば鮮やかなプレイになっていたことだろう。

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勝てそうな場面を演出する

これは少し手が込んでいるが面白いので紹介しよう。
負けるのを恐れるのと同じぐらい、目の前の勝利をつかみに行きたくなるものだ。
もし対戦相手が勝利への道を示してくれたら、それが罠だったとしても、そこに突き進んでしまう。

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これはの友人たちがプレイしていたときのことで、一方のライフが1で独楽と闇の腹心をコントロールしている。
対戦相手はタルモゴイフをコントロールしていて、カウンタースペルを構えている。
自分のアップキープに独楽を起動して、自分の闇の腹心にもみ消しをプレイした。
対戦相手は喜んでカウンタースペルをプレイした。
しかし腹心でめくれたカードは土地で、ドローした不忠の糸でタルモゴイフを奪って勝利した。

ここで議論になるのはもみ消しにカウンタースペルをプレイするべきか、になるだろう。
目の前に勝利をちらつかせられて、友人は我慢することができなかった。
つまり、負けが確定しているとき以外もみ消しをプレイすることはない、という考えを埋め込むことに成功したのだ。
これが誤った情報であると気づいていれば、無関係なもみ消しは通して、不忠の糸をカウンターすることができた。

もう一つのシナリオはあえて土地を置かないというものだ。
リミテッドでギョーム・ワフォ=タパが、全体除去を持っている手札であえて3枚目の土地を置かない、というプレイをみたことがある。
対戦相手のクリーチャーをより多く葬り去るために。

対戦相手の土地が止まったときに最初に考えるのは、このチャンスのうちに勝ってしまおう、ということだ。
土地をプレイしてスペルをプレイしなければ不審に思うだろう。
対戦相手がなにかを構えている可能性が高い。
チャンスだという考えを植え付けることができれば、こちらがボムをプレイする前に勝てると考えて、気を抜くことだろう。

後編に続きます

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